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>生産者探訪
名産地であり続けるために-。
"常に考える"ことが自らの営農の原点
花の香りと
生産者の熱意に溢れたムラ
十文字地区は当JAが全国に誇る花き栽培の産地。なかでも、中村集落は、その基礎を築いたメッカと言われています。
まるで集落を取り囲むように、至るところにハウスが立ち並び、夜になると、菊の電照栽培の明かりが、誇らしく辺りを照らす―。そこを訪れると、花の香りとともに、まるで、生産者の花にかける熱意が集落全体から伝わってくるかのようです。
産地化の原動力は
探究心と無数のアイディア
熱意ある生産者が集う中において、人一倍の探究心で、集落を牽引するのが、佐藤剛さん。就農30年目を迎える菊栽培の熟練者です。栽培品目は、主に、スプレー菊、アメリウム、輪菊、小菊。奥さんの喜久子さんと2人の作業で日々の栽培管理のほか、1日に約3千〜4千本を出荷しています。自らの営農の原点を「規制概念にとらわれないこと」「止まらず常に考えること」と話す剛さん。その姿勢は、圃場のあちらこちらに形として見ることができます。特に、新たな技術や新品種の更新については、誰よりも敏感。発表されたばかりの品種の試作は、常時60〜70品種作付けを行っています。
また、機材や施設についてもコスト削減案を実践。露地で行う電照栽培用の電球は、蛍光灯を使用することで、従来までの裸電球に比べて、約1/4のコストで賄えるようにしたほか、電力会社との交渉により、夜間の時間帯指定で電力供給をする契約を結んでいます。そして、これらのアイディアは、効果的な試みとして、集落全体へ浸透しており、一大産地の大きな原動力となっています
生産リスクを回避する
種苗会社とのロイヤリティー契約
当JAの花き生産が好調な理由の一つに、種苗会社とのロイヤリティー契約が挙げられます。通常、花を生産する場合、苗購入時、1品種につき20万円程度の栽培許諾費用を支払わなければなりません。しかし、当JAでは、交渉の末、出荷する本数に応じて対価を支払う(1本につき2円程度)ロイヤリティー契約を締結。これにより、部会に属する全生産者が、リスクを回避しながら生産を行える仕組みを築いているのです。JA合併後ほどなく結んだこの契約は、当時の菊部会長であった剛さんをはじめとした、集落生産者の行動力の賜物といっても過言ではありません。
あの頃の活気を再び―。
意識の共有で、新たなステージへ
安定する生産、好調な販売額―。一見、産地として飛躍し続けているかのように思える花き部門。しかし、剛さんは「安定は時に慢心を生むもの。今、生産者間に当時のような連帯感、活気はあるのか…」と意識の低下を危惧します。消費者は新たなものを望むもの。産地も、現状に満足することなく、常に先を見据えた試みを実践し続けていかなければならない―。剛さんの思いは、きっと、全ての生産者の根底に無くてはならないものではないでしょうか。
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